TALK / 2026.05.29
月収4万7000円からAIとSNSの先生へ。
株式会社シンプルブランド 代表 小田 純也聞き手 渋谷 彩華

スポーツトレーナーの専門学校を卒業し、リラクゼーションスタッフとして働いた月の収入は4万7000円。家賃を引いたら手元に1万7000円。
月の収入は4万7000円。家賃を払ったら、残り1万7000円だった。
メンタルが一番やられた時、どうやって乗り切りましたか?
17年ほど前、スポーツトレーナーの専門学校を卒業した後、リラクゼーションのスタッフをやっていたんですよ。業務委託の契約だったので、お客さんが来なければ収入はない。月22〜23日、1日8時間拘束されて、その月の収入が4万7000円だった記憶があります。
ルームシェアで家賃を3万円負担していたので、手元に残るのは1万7000円くらい。普通に生活できないんですよ。でも今となっては良き思い出で、あの時代があったから今があるんですよね。
「月収4万7000円、手残り1万7000円」 → 食費を削りに削っても足りなくなるレベル。あの「今月どうしよう」という感覚が、ビジネスの原点になっている人がいる。
起業して後悔した夜はありますか?
後悔はないですね。自分のやりたいことを仕事にできているし、「この人とは合わないな」と思ったお客さんはお断りできる。その点は起業してよかったなと思います。
一つ気をつけてほしいのが、「2時間で月100万稼ぐ方法」みたいな話。あれ、切り取り方によっては事実なんです。でも初心者がいきなりそこに到達できるわけじゃない。そこの勘違いだけはしない方がいいと思いますね。

成功する人の共通点と、うまくいかない人の特徴は?
うまくいく人は、とにかく動きが早い。うまくいかない人は、頭で考えてやらない理由を探すことが多いですね。
うまくいく人は、多少の失敗なんてもろともせずに「とりあえずやってみりゃいい」というノリでやっている。1件送って返信がなかっただけで「否定された」と止まっていたら、何もできないじゃないですか。バカみたいに数をやって、そういえばこんな人にメールしてたな、ぐらいの気持ちの方が結果的にうまくいくと思いますよ。
頭で考えて、やらない理由を探す。
それが、うまくいかない人の共通点だと思う。
成功に必要なのは努力・才能・学歴・運、どれですか?
努力ですね。才能がある人でも、努力し続ければ勝てる。運を引き寄せるのも、結局は努力の積み重ねだと思っています。学歴はあまり関係ない。
唯一、お金持ちになる方法として「親の遺産」という親ガチャがあるので、そこだけは努力ではないですが(笑)
仕事においては、努力が一番大きいと思います。
主婦でも真似できる、お金の増やし方・守り方のヒントは?
今だったらSNSでフォロワーを増やして、アフィリエイトや商品紹介で収益化するのが元手ゼロでできる一番シンプルな方法だと思います。
SNSが苦手な方は、人と直接会う方が早い。社長が集まる交流会に行って人脈を作り、誰かと誰かをつなぎ合わせるだけでも収益になる。どちらかをまずやってみることをおすすめします。

ゼロイチの時は、ワークライフバランスなんて成立しない
起業についてパートナーから反対されたことはありますか?
付き合う前からすでに起業していたので、反対される余地がなかったんですよ(笑)。他の方だと「どうやって切り出そう」とか「黙ってやろう」となることもあると思うので、そこは自分はちょっと違うパターンでしたね。
社員のモチベーションを上げるのと、パートナーの機嫌を取るのはどっちが難しいですか?
パートナーの方が難易度が高いですね。業務委託の方々はお金という関係性があるので、ある程度は動いてもらえる。でもパートナーとの関係はお金じゃないじゃないですか。そっちの方がはるかに難しいと思います。
守るものがある人の方が、経営者として成功すると思いますか?
これ、人によると思っていて。
30代・40代になると「仕事に全力でコミットしたいのに、家族の時間も取らないといけない」というもどかしさは絶対に出てくるんですよ。だから個人的には、独身のうちに一気にやりきっておいて、結婚してお子さんが生まれたらそちらに時間を振る方がバランスがいいと思っています。
ワークライフバランスという言葉がありますが、ゼロから立ち上げる時はあれ、正直成立しないと思っています。ゼロイチの段階は全力でやらないと死亡する。本気でそう思っています。
ゼロイチの時にワークライフバランスを成立させていたら、正直、事業はできないと思っています。
「ゼロイチは全力でやらないと死亡する」 → 「子供が小さいうちは仕事を抑えて、大きくなったら本格的に」もある種のゼロイチ。どこかで一気に踏み込む覚悟が、どちらにも必要なのかもしれない。

会話のキャッチボールができないお母さんと、「当てにしなくなった」息子の話
幼少期はどんな子どもでしたか?今のビジネスにつながっている部分は?
今のビジネスにつながるというより、今の自分の思考力の原点かもしれないですね。「世の中、なんでこれが正しいんだろう」という反骨心というか、みんなと一緒にやれと言われてもスッと入ってこない子どもでした。
高校生くらいからは「授業中に因数分解をやっているぐらいなら言語を覚えた方がいい」と思って、英語や中国語の本を自分で買ってきたりしていましたね。そういう積み重ねの集合体が今の自分だと思います。
お母様はどんな性格でしたか?
会話のキャッチボールができない人でしたね(笑)
「今日のご飯何?」と聞いたら「そういえば今日の朝ドラが…」と自分の話を始めるタイプ。伝えても全然伝わっていなくて、途中から当てにしなくなりました。
ただ、お金の面で不自由させなかったのはすごくありがたかったです。バイクの免許も、車の免許も、行きたいと言ったら全部出してくれた。そこは本当に恵まれていたと思います。
お母様に一番きつく叱られたエピソードは?
小学2年生の時に、塾に「行ってくる」と言って友達の家に遊びに行っていたんですよ。何日も繰り返していたら、先生から「最近来ていませんよ」と連絡が来てバレまして(笑)。さすがにその時は怒られましたね。
「塾行ってくる」と言って、
友達の家に行き続けた小学2年生。
バレないと思っていた。
20代の自分にアドバイスするとしたら?
死ぬ気で働いた方がいい、ですね。若い時は吸収力も高いし、思いっきりチャレンジもできる。1日16時間ぐらい頭を使って頑張っておけば、40代・50代になった時にお釣りが来る。
遊びたいなら、まず経済力をつけないといけない。経済力をつけるには仕組み化が必要で、仕組み化するにはそれなりの努力が必要。数ヶ月の自由と、5年・10年スパンの自由、どちらを取るかの話だと思っています。
数ヶ月の自由と、
5年・10年スパンの自由。
どちらを取るかの話だと思っています。

英語の本、1ヶ月で10ページ。「自分でも覚える気ないと思う」
最近、個人的に困っていることはありますか?
仕事面では、うまくいくと思っていた施策がなかなか結果に出ない時ですかね。プライベートはあまり悩みがないんですが……強いて言えば、語学の時間が取れないこと。高校生の頃から英語と中国語をやりたいと思っているのに、全然進まない。
本を開いたら1ページ読んで眠くなる。また次の日も1ページ。1ヶ月でまだ10ページ、みたいな状態です。自分でも覚える気ないのかなって(笑)
このペースだと3年かけてようやく20ページかもしれません。

「語学本、1ヶ月10ページ」 → 「やらなきゃと思いながらできないこと」は、主婦にもある。片付けでも、英語でも、ダイエットでも。完璧な人なんていないんだと、少し安心した。
「バカみたいに数をやれ」と言う人が、英語の本を1ヶ月で10ページしか進んでいない。その話を聞いた時、なんだかほっとした。
仕事では圧倒的な行動力を持ちながら、プライベートでは「本を開いたら1ページで寝てしまう」人間であること。スピード感と人間臭さが、同じ人の中に共存している。
「過去には興味ない、未来しか見ていない」と言った人が、収録の前にお母さんに会いに行っていた。
それが、一番印象に残った話だった。
